ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 狂人の遊び  ( No.97 )
日時: 2010/12/10 17:02
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: 今日はマラソン大会でした、足が痛い・・・。

第36話「釈朱のプラン」

三日月が雲から顔を出す、丑三つ時。
草木は不気味な風に揺られ、ザワザワとうなる。

その草木を見下げる廃墟の学校。
その学校は異様な雰囲気を放つ。

教室の中は机や椅子がころがっていたりと
随分と古い様子。
その椅子に座る、男と周りに立つ部下。

「世紀末の時はもうちょっとで来る。お前ら、わかってるだろうな。負ければ死刑だぜ?」

黒の刺客たちはうなずかない。
ただ1人の男だけは違った。
メガネをキラリと光らせ、笑う。

「死刑て・・・。酷いこと言いはんな。俺らはあなたの野望に惚れて来たのにやな。」

釈朱は鼻で嘲笑う。

「甘いな。どうして人間はこんな馬鹿がたくさんいるんだぁ?神の下は人間。俺は神だ。全ての支配下にある。上下関係もわかんねえのかよ。」

メガネをかけた青年、高木は少しため息をつき、
椅子に腰掛ける。

釈朱は腕組みをして、少し笑う。

「これで終わりなんだ。俺を駄神にしたこの世に復讐する時が来るんだ・・・。今の状況、1人も死んでもらいたくないんでね。それなりの罰を受けてもらわないと。」

黒の刺客たちは何も言わない。

「さて。ヌトが言ったことを聞いてたら今日、明日で全員が揃いそうだ。」

高木は口を開けて笑う。
釈朱はキリッと高木を睨んだ。

「知ってますよ、それ。『白と黒の戦争』やろ?ああーそれって、かつて神同士でしてたみたいやけど、俺らでもできるんかー。笑いが止まらへんわ。」

釈朱は舌打ちをする。
高木は口で笑うのを止め顔だけで笑う。

「黒軍が俺たち。白軍があいつら。何かを賭けて闘う。それが『白と黒の戦争』だ。どっちも15人揃えて闘う。どちらかの兵士が1人でも少なければ戦争は成立せず、揃わなかったほうが負ける。こっちは間に合ってるが、あっちはまだ探してる。さっき言ったとおりヌトはもう予言している。あいつらを不戦勝にするには・・・。」

釈朱は手をあごにつけて、うなる。
すると、高木が言う。

「ほな、1人殺しましょ。そうすれば、俺らの勝ちやないの?」

釈朱はニヤリと笑い、バッと立つ。

「全員揃う前に、1人殺るぞ。紅賀崎。お前だ、行け。」

1人の黒の刺客はスッと消える。
釈朱は大笑いする。
その声は悪意に満ちた声だった。





藍染はバッと目が覚めた。
窓を見てもまだ暗い。月はまだ顔を出している。
少しため息をついて、寝転ぶ。

「嫌な夢だった・・・。神牙が地球に黒い隕石を落とす夢・・・。どうしてだろう。いつもこの夢。」

「そうか。ならそれは予知夢だな。」

藍染はバッと後を向き、シャルロリアを見つめる。
シャルロリアは壁にもたれて藍染をジッと見る。

「お前の彼氏とやらは釈朱か。今倒すべき相手。何を考えているのか分からん。」

藍染は俯き、涙をこらえる。
シャルロリアは浮遊し、藍染に寄る。

「お前に問う、藍染。お前は今、大事な人を傷付けることができるか?」