ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 廃街のマリオネット オリキャラ募集中! ( No.20 )
日時: 2010/11/06 11:40
名前: シンダチ (ID: 6xDqgJhK)

二話

「マスター、コーヒーおかわりだ」

僕、「桜」の行きつけのバー 『マッド サイエンティスト』のカウンター席に座ってかれこれ一時間たつ。このバーはカウンター席でなく、テーブル席もあってひろびろとしたいいバーだ。その割に店内は寂しく、僕と蛇以外の客はいない

「ったく、ここは酒を飲むところだ」

マスターは二十代後半から三十代前半の女性。クールでかっこいい美人ってところ。バーテン服がよく似合う。

「まったく、お前のためにコーヒーメーカーを買った私もバカだ」

もともとこの店のメニューにはコーヒーは無く、僕が通うようになってから追加された。

「そーだぜ〜〜ここは酒屋だぜ〜酒を飲め酒を」

ちなみに蛇は僕の隣に座って、ずっとビールを飲み続けている。蛇の前には空のビール瓶が2本並んでいてかなりできあがっている

「マスター、それよりも『ダイア』が見当たらないんだけど」

マスターは僕の前にコーヒーを出しながら

「ダイアは仕事さ、そろそろ帰ってくる時間だ」

その時マスターのポケットから無機質な着信音が鳴り始めた。
するとマスターはポケットから一枚のコインをとりだし、テーブル席のほうへ放った。

マスターがパチンと指をならすと、放ったコインが男へと変わった

男はテーブルを巻き込みながらゴロゴロと転がって店の端で止まった。

「おかえり〜ダイア〜」
蛇が手を振る
「私の店を壊すな、殺すぞ」

「マスター!てめえ!もうちょっとゆとりのある帰還のさせかたは無かったのか!」

マスターはなにごとも無かったかのように
「そのようすじゃ、ボコボコにされたみたいだな」
ダイアのコートはすこし傷ついており、めくれた服から見えた腹には青あざが刻まれている

「綺麗にスルーすんな!まぁ、いい……確かにその通りだ。奴さんの能力は身体能力強化……とくに瞬発力等をあげる能力……」

僕は少し疑問に思う
「でも、おかしくないか?いくらスピードがあってもダイアの能力で心を読めばそんなにはならなかったはずだけど……」

ダイアは唇をかんで
「ああ、たしかにその通りだ……だが奴の能力はそれだけじゃないんだ……」

そして一拍置いて

「心を読めない能力……おそらく、心への干渉を退ける能力だ。俺の心を読む能力だけじゃなく、お前の催眠術も通用しないだろう」

マスターは少し考えるように腕を組み

「では、こうしよう。」

そしてはっきり言った

「この仕事は『蛇』と『桜』にやってもらう」