ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 廃街のマリオネット ( No.3 )
日時: 2010/10/31 15:59
名前: シンダチ (ID: 6xDqgJhK)

男がホテルの部屋から出て行ってすぐ、違う男が入ってきた

「よお、桜。うまくやってくれたみたいだな」
彼の名前は『蛇』 年は18かそこら
ちなみに僕の名前は『桜』年は16なので彼のほうが二歳年上だ
「ああ、以外にすんなりできたさ」
僕は無表情のままで答える
「お前の能力を使えばそりゃすんなりもいくさ。ただな、俺は」
蛇は一拍置いて告げる

「お前の能力が大嫌いだ」
満面の笑みで。
だから僕も答えてやった
「僕もお前が嫌いだ。能力もお前自身も」
もちろん満面の笑みで。

蛇は目を丸くし肩をすくめる
「俺はお前の能力が嫌いなだけで、お前自身のことは結構好きなんだ。それに……」

「そんなことより」
僕は蛇の言葉を遮った
「彼女……どうする?」
ベットの上ではもう一度眠らせた女がいる

蛇は首を横に振って
「俺がお持ち帰りしてもいいがそうもいかないだろう?あとでそこらのベンチに座らせとけば勝手に帰るだろう」
蛇はまた首を横に振って

「なんで売春の店をつぶすなんて言い出したんだ?」
僕も首を横に振って
「大丈夫さ、引き取りに来た男に店を燃やすように指令しておいた。そのあと火の中に飛び込むようにもな。それにあいつが僕と会うことは誰も知らない。足はつかないだろ?」

「そういうことじゃない」
蛇はまっすぐ僕を見つめ
「俺たちのモットーはなんだ?『ローリスク、ハイリターン』だろ?それをなんでリスクを増やすようなことをした?あの店はまだ利用価値があったのに……」

「すまない」
彼があんまりにも真剣に言うので思わず謝る

「でも……」
僕は彼の眼を見つめ言う
「女の子をだまして売りつける仕事は僕達には合わない」

蛇は黙ってうなずいた