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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒い狂気 ( No.3 )
- 日時: 2010/11/02 20:50
- 名前: 真猫 ◆s.JL6GdGgs (ID: OROHjpgn)
第一章
それはある秋の事だった
今日は学校が文化の日で休みでいつものようにダラダラしていた
そして出かけたお兄ちゃんの帰りを待つ
なにも無い時間、ざわめきが一つもない空間
そう今日は私一人、お母さんも美容院に行っている
友達にも片っ端に電話もかけてみたがいなかった
友実ちゃんさえいなかった
ああ暇だなあ、と言う気持ちが心に残る
暇すぎて声も出なかった
誰かに見捨てられてるような気がしてならなかった
こう言うのがいやな予感と言うのだろうか
冷たい北風がその気持ちを深めるように私を包む
不安になって急に学校にいたようなざわめきがある空間にいたくなりテレビをつける
リモコンのボタンを押し続けたが良い番組はやっていないようだ
次にポケットに手を突っ込み何かないかな、と暇を潰せるようなものを探した
あったのは携帯電話
メールでも良いから何とか誰かと話を出来ないかと私は返信をほっといた相手にメールをしようと考えた
でも雑談的なことでメールしてきた人は一人もいなくてメールすることを諦めた
まるで悪夢でも見ているようだった
こんなに暇なのは初めてだった
テレビは面白い番組ひとつやっていなくて、遊ぶ相手もいなくて、メール相手もいなくて、電話に出る人も一人もいなくて、しまいには家にも誰もいない
すごく孤独で怖かった
誰にも相手にされなくなったようで・・・
遠くで楽器の音が聞こえた
近くの高校(いや少し遠いかな)の吹奏楽部の合奏練習の音のようだ
この音のお陰で少し不安がまぎれる
でもすぐこの音はやんだ
それでまた不安がよみがえる
そんなネガティブな気持ちを消そうと押し入れから布団を取り出し、寝ることにした
そして毛布の中に体を包みこんな気持ち思い込みだ、と心に問いかけながら目を閉じた
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