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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 「そして魔女は宴をひらく」 ( No.1 )
- 日時: 2010/11/02 19:58
- 名前: *銀* (ID: ia9Umcvq)
第一章〜宴の始まり〜
真っ暗な、真っ暗な空間に、彼女たちはいた。大きな
長方形のテーブルを囲むように彼女たちは座ってい
た。この場にいる全員が、ゆったりとしたドレスのよ
うな物を着ていた。
『ねえ、皆さん』
テーブルの真ん中にいる女は、突然呼びかけるように
言った。透き通るような声に、それまでおしゃべりを
していた彼女たちは口をつぐんだ。長い長い沈黙が続
いた。
『この場にいる意味…、お分かりですわよね?』
『ええ、もちろんですわ』
真ん中にいる彼女以外の人が、一斉に言い放った。
その言葉を聞いた彼女は、満足げににっこりと微笑む
と、右手を横に振りぬいた。すると、テーブルの上に
百はある、鍵が現れた。
『…クスクス。今世紀は開けられるかしら?あの【ト
ビラ】を』
笑い声を抑えようと必死になっている彼女に、周りの
者は期待の目、不安の目、またはどちらでもない目を
向けた。
『さあ、お行きなさい。一刻もはやく…【鍵の魔女】
を、見つけてください…フフフ、アハハハハハハハハ
ハハハ、アハハハハハハハッハハ!!』
狂ったように彼女は笑った。言葉と同時に彼女の周り
の者はフッと消えた。彼女の笑い声が、いつまでも、
暗闇に響いていた。
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