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六話「殺意」

「うっ、うぅっ……」
泣いたらまたママに叩かれるけど……。
「泣くでない。可愛い顔が腫れてしまうぞ?」
「あっ、あなたは……!!」
アリスが読んだ本に出てきた!! 凄い力を持つアリカ様だ!!
「ふふっ、いかにも」
「アリカ様!! かわいそうなマリアを助けに、魔界から来てくれたの!?」
「その通りだ。望みを言うがよい。何でも叶えてやろう」

「ママを殺す……。ミカちゃんが味わった痛みをママにも解らせてやる!!」

「何しに来たの?」
パソコンに向かってお仕事しているママ。声は冷たい。
「ママを殺しに来たの」
「殺せるならやってみなさいよ。ほら、早く」
アリスの方を向いて、嘲笑っているママ。

「……っ!!」
アリカ様から貰った杖を横に一振りすると、ミカちゃんがなったように、ママの頭も千切れた。
「はぁ、はぁ……」
「殺し足りぬであろう?」
「……うん」
「……」
煙管を吸って、その煙をアリスの母親の死体に吹きかける。

「本当に母親を殺すなんて、最低の娘ね!!」
「ママだって、何度もアリスを傷つけたでしょ!!」
「はぁ? アレは教育よ。　教・育!! アンタに普通の娘になってほしいって言う願いよ。暴力じゃないわ!!」
「そんなこと、言葉で言ってくれないと解んないよ!! ただ叩かれてるだけじゃ、アリスはなんにも解んない!!」
次に杖を振りおろすと、ママの心臓を槍が一気に貫いた。

「ああぁぁぁぁっ!!!!!!」
大量の血がほとばしるが、死んではいなかった。