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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: かごのとり。(コメ・アドバイスくださいっ!!) ( No.36 )
- 日時: 2010/11/04 21:21
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
拾六話「堕落すべきとき」
正直、アリスの泣きながらの訴えは、俺の心をうった。
でも、俺の人生は俺が決める。誰に何と言われても魔界に戻るつもりはない。
処刑台に上る足が震える。気晴らしに見に来た民衆たちの瞳は血走っていた。その姿が、魔界と重なる。
「あっ……!?」
民衆たちの先頭の列にいるのは、美しい金髪に妖艶な真紅の瞳の美女。
俺と目が合うと、目を細め口の片端を釣り上げた。
“早く歩け”と急かすように首輪を引かれ、やむなく進む。
ギロチンに首を置き、目隠しをされる。
残酷への期待で殺気だつ処刑台の周り。荒い鼻息。
俺は、これ以上ない恐怖を覚えた。
震える唇が紡いだ声は誰にも聞こえるはずがない。
ジャキッと音がして、首が飛んだ。
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