ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: かごのとり。(コメ・アドバイスくださいっ!!) ( No.44 )
日時: 2010/11/04 22:51
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)

弐拾弐話「人生美味礼讃」

“食え”そのアリカの冷たい声で、みんな木刀を投げ捨て、俺に食らいつく。

その姿は、まるで生ごみをあさるカラスのように愚かだった。
餌を分けあわない猛獣、食に飢えた獣。それでも、美しい。

ここまで欲を晒し合えば、愚かだの醜いだの言えなくなる。
“ああ、自分も他人と同じ”その安心感がよぎる。

最高に美味の餌に食らいつき、俺はどんどん食われていく。

そして、俺はコイツ等の胃袋の中に納まった。

最期に“まだ終わると思うなよ?”というアリカの冷酷な声が聞こえた気がする。

きっと、気のせいだと思ったほうが幸せだ。

—E N D—