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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: かごのとり。(第弐弾開始!!) ( No.50 )
- 日時: 2010/11/05 18:25
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
弐話「偉大なる大魔王」
「アリカ様、お着替えを」
「あっ……」
つい先ほどまで人間を調理していたため、全身血まみれである。
「……先にお風呂にいたしましょうか」
「ああ……」
熱い風呂で血を流し、髪を洗い、身体も綺麗にする。
「さぁ、アリカ様。こちらへどうぞ」
ミニ丈のウェディングドレスのような白い衣装をアリカ様の身体に当てる。
「……」
照れか、嬉しさか顔が赤くなっているアリカ様。
「ディア様も、アリカ様に会うのを楽しみにしていらっしゃいますよ」
「本当か……?」
あの方に攫われ、無理矢理嫁にされた時は、凄く恐ろしかった。
だが、あの方に優しくされて、あの方の心を知ると、あの方を愛することができた。
「さぁ、いってらっしゃいませ」
「……」
綺麗に身体に纏う白い衣装。軽く化粧を施した顔。
「アリカ様、綺麗!」
「スゲー……」
「わーおww」
「……人形みたい」
アリカの美貌には誰もが息を呑んだ。確かに顔は綺麗だが、化粧をしているところを見たことはなかった。
街は大魔王が降臨すると聞き、浮き足立っていた。
「アリカ様、お美しいです!」
など、すれ違った誰もがアリカの美貌を称えた。
小走り気味に歩いていると、見覚えのある後ろ姿。
「ディア様!」
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