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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: かごのとり。(コメくださいっ!!) ( No.6 )
- 日時: 2010/11/03 10:56
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
弐話「夢か現実か」
「はあ……?」
「殺人を犯した人間は人間界にいる資格なし。
だから魔界に来てもらったのよ。って何回説明させるの?」
「だから、魔界とか異世界とかは、マンガとかの話で……」
俺が今いるここは魔界? 信じられねえよな? なっ?
「だから、これは現実。ほら、痛いでしょう?」
「いってぇ!! えっ!? え゛ぇぇぇっ!!!!?」
呆然と立ち尽くしている俺の右の太ももには、包丁。
「ささっ!? ささった!!? うぇ!?」
「……五月蠅い」
はぁ、とため息をつく小百合。冷静すぎだろ!!?
「病院!! 病院!!!」
「ないわよ、そんなの」
「あ゛ぁぁぁぁっ!!!!!!」
奥までぶすっと入った包丁を一気に抜かれる。
「貴方の足は刺される前、どんな姿をしていたの?」
そう言って傷口に手を当てる。
「あれ……? 治った……」
傷口は綺麗に塞がり、血も流れない。血で汚れたズボンも元通り。
「これが魔界を治める偉大なお方、アリカ様のお力」
「あっ、あっ、おぉ??」
「ね、これで信じられるでしょう?」
「おう……」
こうして俺は、魔界での生活を余儀なくされた。
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