ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 能力者Lvゼロ      ( No.146 )
日時: 2010/12/11 15:18
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)

“レベルゼロ能力者に近づいてはいけない、攻撃してはいけない”

この言葉は能力者達の内で最も恐れられたレベルゼロ、対能力者戦闘用能力を持った能力者の事を指し、それは能力者にとっては最も強力な力と成り得た能力者に攻撃してはいけないという戒めであり、楔だった。 だが、その言葉もここ数週間のうちに一変した。

“レベルゼロ能力者を捕らえよ、さすれば富と名声に恵まれん”

つまり、レベルゼロ能力者はもはや獲物以外の何者でもなくなったのだ。 レベルゼロ能力者の特徴としては、常人の前では常人と変わらない。
つまり、能力を発揮できず数に押されて死ぬ場合が多い。
そう、敵はレベルゼロを能力者とは隔離し、単体になったところを数で潰す事に専念するだろう。

「で、レベルゼロを囮に集まった所を俺らが一気に消すという手立てで来るだろうと相手は考える。 童子が死んでその程度の考えに成り下がると考えているに違いない」

意地悪な笑を浮かべ、カイトがUFOの中でスクリーンを壁に映し出すと説明を続ける。

「で、だ。 一番厄介なのは相手のボス、ジェームズ・N・ディアンマートの能力だ。 奴の能力は未だに不明だ、戦いを挑もうものならその人間が居た痕跡すら残さず奴はこの世から人間を消している。 恐らく即死か消滅系統の能力を扱うと予測しよう」

その言葉と共に、スクリーンに如何にも悪そうな顔の男が手をかざし、何故かユーリを消している映像が連続再生された。 それをユーリは不満そうな顔で、

「何でその消されてるのが俺なんだ?」

「俺の希望、五月蝿い奴には早く消えて欲しい」

面倒くさそうにそれをカイトは受け流す。 15歳くらいに見えている外見の裏側に18歳くらいの精神という名の顔が見えるような気がする。

「まあ、俺は童子さんとは違うからな」

「あ、そ。 で、ジェームズ何とかはどうすんの?」

ネディの言葉に、その場の全員が考え込む。 それもそうだ、相手の能力が分からない以上、うかつに手を出す事などできない。