ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.149 )
- 日時: 2010/12/12 15:33
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
栄王拠点ビル跡地__
もはや何も無いこの場所に、七人の人影が蠢いている。 全員、なにやら地面を掘り返し、何かを探していた。
もちろん童子の死体は既に消し飛んでいるのにもかかわらず、地面を探る。 彼らは童子直下部隊“アンノウン”と呼ばれる戦闘部隊であり、直下部隊二つの中でも最も童子に忠誠を誓っている人間が多い。
故に、童子の死体が無くともその場所を捜索し、確実に死体が無いのかどうかすらを確認するのだ。
不意に、その七人に無数の光の矢が降り注ぐ!
空中には、紅葉が悠然と空中に立っていた。 明らかに第二波を放つ準備なのだろう、左手が青白い輝きを放ち、右目の色が紅から深い青へと変化している。
「マズイぞ、童子様の力だッ! 全員退避しろ!」
メンバーの一人がそう叫んだ直後だった、巨大な光の矢が辺り一帯に降り注ぎ、無数のクレーターを大地に刻む。 もちろん、紅葉は顔色一つ変えずにその場に降り立つと、しばらく地面を眺め、
「あの馬鹿、魔神の目を死ぬ寸前に自分で壊したな……! ったく、骨折り損じゃない」
紅葉は残念そうに周囲のクレーターを眺めると、その場に溶ける様にして消えた。 それを見ていた人物がもう一人、二人。
「大変ね、アンノウンも」
「大変ね、どころじゃないと思いますけども?」
チンピラのような姿をした男がリザに呆れながら注意する。 だがリザは態度を改めず、
「良いじゃないのよ、たまにはこういう風に気ままになってみても。 藤井クンと違って私は多忙なんだから。 ——さて、栄王ビル跡地の調査は終了。 この統計が正しければ次は——…」
リザはポケットから携帯電話を取り出すとカイトにつなげ、
「ヤッホ、ひよっこちゃん。 次、多分アーレイン漁港の教会地下室を紅葉が襲撃するわ、対策頑張って。 私はまだ童子の任務が残ってるから援軍にはいけないけどね」
そういうと、携帯を切って留めてあったバイクにまたがり、エンジンを掛ける。 もちろん藤井も同じようにバイクのエンジンを掛けると、地図を確認し、
「次の調査は——…? 不死鳥の塔って何処ですか?」
「……正確な場所は知らない、ヤマの持ってる鍵でしか行けないらしいし。 ヤマ探しよ、面倒ね」