ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者Lvゼロ= “無能力者” オリキャラ募集中 ( No.18 )
- 日時: 2010/11/09 22:06
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
クラウンの言葉を聞くと、詰まらなそうにシグマが頭を抱えた。
あたかも残念そうだが、直ぐに顔を上げる。
そして、
「クラウンを殺し、次のレベルゼロ能力者ジェリーを迎えに行け」
言葉の途中、シグマはクラウンの方を向く。
「悪いな、クラウン。君の“銀の砂時計”では太刀打ちできない相手を用意して絶望の内に殺してあげよう」
シグマは手で合図を部下に送ると、一人の人間を連れてこさせた。
そいつは、赤と青のオッドアイでクラウンを軽くにらむ。
如何見ても女だが、男物の制服……。
そいつはクラウンに手をかざしてニヤリと笑う。
一瞬のうちに地面から足の離れる感覚……、瞬間移動系の能力者か!
しかも、自分は関与していなくても物を飛ばせる、中でもかなり厄介なタイプだ。
瞬時にクラウンの能力が変化する。
だが、姿が変化しないという事はこの女見たいな奴は男。
考えがまとまった直後、クラウンの頭に鉄骨が直撃する。
しまった、コイツは……、
「地面の上じゃなくても平気なのか、驚いたよ。でも、当たり前かな“LvⅣ”の上級能力者だし。ここまでのテクニックはあるってことかな?」
クラウンは平気そうな顔で起き上がると、奴の方を向いた。
それに対し、
「へぇ、丈夫だな。まず自己紹介からか? お前にしても殺してきた奴の名前くらい知りたいだろ。俺はヤマ・ジュヴァリアル。能力は見ての通りクイックワープ、瞬間移動だ。但し、瞬間移動するのは他の物だけで俺は関与できない。お前の“銀の砂時計”では対応できないだろう?」
その言葉と共に再びヤマはクラウンに手をかざす。
これで何処にでも飛ばせるのであればとんでもない脅威だ、高層ビルと同じ高さから落とせば普通に勝負はつく。
だが、
「あのねえ、ボクは殺されるつもりはないよ。シェリーの手料理食べないと、あの世に行っても禁断症状が出ちゃうからな」
クラウンは余裕そうに言い返すと、自分に額に手を当てる。
その直後、また地面から足の離れる感覚——…!
だが、ヤマのワープは失敗に終わった。
失敗した理由は簡単、
「ボクをこの場に飛ばせば、ワープはキャンセルされるでしょ。そのくらいは考え付く」
クラウンは得意げに言い放つ。
それに対しヤマ意表を突かれた様に、
「お前、マジで何モンだ? “銀の砂時計”以外の能力が使えるのか——」
途中でクラウンがヤマの言葉を遠慮なく遮る。
「そんな物元々使えない、君の能力に合わせて力が変化しただけ。ボク単体ではただの一般人だよ。ただし——」
クラウンが一瞬で走って距離を詰め、目にも留まらぬ速さでヤマの真下へ屈むとワープを発動させる暇もなく逆立ちをしながら顎を蹴り上げた。
クラウンはそこから再び距離をとると、
「体術だけはどうも一般レベルじゃないけどね」
クラウンは冷ややかに言い放つ。
その言葉の直後、舌を噛んだのか口から血を吐き出すとヤマは不敵にも微笑んだ。