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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.2 )
- 日時: 2010/12/02 17:04
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
真っ黒い裏路地で人が死んでも知らん振り。カミサマなんてそんなもんだ。
神が能力者を生み出した、能力者は皆神の能力を持っている。
だが、その神が天使か悪魔かなどさっぱり分からない。
唯一つ分かっているのは、非情なことだけ。
「悪いね、ボクは能力者じゃ殺せない。上に死んで伝えとけ」
黒髪の少年が、紅い瞳を瀕死の大男に向ける。
彼は、能力者。
大男は、能力者。
だが、能力者には格の違いが存在する。
能力者は5つにのみ分類でき、その分類はレベルの違いだ。
レベルは、Ⅰ〜Ⅴのみしか存在しない。
存在しないはずなのだ。
少年は鼻先で笑うと、仰向けに倒れた大男の傷口を冷笑しながら踏みつける。
「ボクは最初に言ったよね、攻撃してこないでよって。なのに攻撃してきたのは君だよね、悪いのはボクじゃない、攻撃してきた君が悪いんだ」
少年は傷口を持っていた曲刀で開くと、大男は悲鳴にならない悲鳴を上げた。
その苦痛の表情は見れば吐き気をおよもすものだが、少年は平気な顔をしながらポケットを探ると黄色がかった透明の液体を傷口に流し込む。
その悲痛の表情はいっそう引きつり、体が徐々に持ち上がると数センチ地面から背が離れた所で力なくその場に倒れこんだ。
そう、少年はこの男を殺したのだ。
それも躊躇無く、いとも軽々と。
その少年は大男の死体を踏みつけると、すぐに裏路地の闇へと消えていった。
レベルゼロの能力者には、出会ってはいけない、能力で攻撃してはいけない。
何故って?
殺されてしまうから。
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