ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 能力者Lvゼロ      ( No.232 )
日時: 2010/12/30 16:37
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)

クロアとの国家第八支部、元老院集会所での戦闘中、クラウンたちは船からまたアーレイン漁港の教会にいた。 魔神いわく、

「力を狙ってきた奴らはもう既に力を手にしている、だから私の力を狙ってくる事もないだろう」

と言う理由で結構あっさりクラウンたちを解放したのだ。 軍艦での戦闘は、紅葉と麻記那の相打ちと言う形で報告。 報告を終えたレインとジェリーに会ってから戻ろうと考えたが、直ぐに二人は麻記那の体を完全に焼くと軍艦に搭載されていた戦闘機でどこかへ飛んでいってしまった。 魔神の情報によると国家第八支部、元老院集会所らしい。
今から向う予定だが、既に真夜中。 とても暗い上に、楓に無理をさせるわけには行かない。 リザと藤井が楓は連れて行くべきではないと反発したが、それも魔神が黙らせ、半ば無理やり連れて行くことを了承させた。
で、いまボク達は楓の乗ってきたバイクと、魔神が何処から用意したのか分からないバイクを使ってリザに案内されながら国家第八支部へと向っていた。 恐らく到着するのは朝方だとか。 
そして今はもう、明け方。 既にバイクを飛ばし続け3時間が経過した。 しかも、120kmオーバー。 どれだけスピードが出るのやら。

「もう直ぐよ。 町が見えてきた——……!」

その言葉の直後リザの表情が一気に険しくなる。 余り良い予感がしないが、

「どうしたの?」

恐る恐る質問を投げかけてみる。 だが、リザはそれに数秒遅れ、

「町が……第八支部があったところが……、無い」

はあ? どういうことでしょうか? 自分の目で確かめるべきだろう。だが、別に異変は……!
突然だった。 クラウンたちのバイクに衝撃波がぶつかったらしい。 危うくバランスを崩し転び掛けるところだったが全員無理やり立て直す。

「何事だ?」

「さあ? 衝撃波みたいだったけど……」

「予測で悪いけど、ジェームズとかいうやつが古式騎士N-0型を起動させたんじゃないかしら?」

リザの言葉に、聞いたことも無い単語がある。 

「で、何だ? の古式騎士とやらは」

藤井の質問に、

「古式騎士はハイペロ跡地に眠っていた機械兵よ。 その形状はさまざまで100型から0型まである。 で、数字が小さくなるにつれて性能が良い。 更に問題は能力を受け付けないと言う点ね。 どうも昔居た魔族に対抗して作られた物らしいけど、詳しい事はそれ以上知らないわ」

リザの能力が効かない。 と言う言葉が、クラウンには引っかかった。 藤井は能力自体が効かなくとも光による攻撃だから問題は無い。 だが、大体の能力者は能力自体が当たる。 光に変換すると言う藤井のようなプロセスは皆無だ。