ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.246 )
- 日時: 2011/01/04 21:59
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
所詮は見てくれが大きくなっただけだ。 ただ単純に、肉体が大きくなろうと力の差は歴然。 二匹の化物が相手では同等の力を持つ化物一匹で対抗しようなどというのは不可能だ。
「でももう、ポイントとか飽きてきたボクの賭けるものは自分の能力がいいな。 ボクが古式騎士に止めを刺せば君の能力は僕がもらう」
「出来るものならどうぞ。 私の能力は無、作り出すより破壊的なちからだからね!」
迫り来るどす黒い巨漢にクラウンは雷電を向ける。 そして、
「まあ、私の能力をよく見れば分かると思うけどコイツを無に帰せば、無くしてしまえばいいんだよね。 だからもう私の勝」
雷の如く雷電は咆哮と共に古式騎士を包み込む!
一瞬眩い閃光が辺りを隠したかと思うとその場に充満していた黒い靄が消し飛んでいる。
「あー……この規模は流石に疲れるみたいだね。 一瞬、消せる許容範囲をオーバーしかけて死ぬかと思った。 冷や汗だーだー……」
全員が、その一撃で終わったと思った。 そう、この能力者の能力が全て消えてなくなったと思ったのだ。 だが、
「外を軍隊が囲んでるぞ、全員一箇所に固まれ。 銃を持って……!」
途中から来ていたカイトが全員に指示を出し、突破口を開く準備を整える。 だが、その場にいた全員がその空間に縛り付けられた。 見れば、上のほうでアルテミスを引き摺った水鏡が手をかざし、能力を発動しているではないか……!
「どうなってる、魔力還元システムの親機である0型は壊れただろ !?」
ユーリが吼えるが、事実、水鏡のアクア・グラビティは発動している。
「水鏡ちゃん、能力を解除して! まだボクたちの仕事は終わってないらしい」
黒い人型の靄が会った所に小さな箱らしき物が落ちている。 拾おうとしたクラウンをクロアが制し、遠ざける。 その直後、箱が装飾に沿って裂けだした。
このパターンはアレだ、やっつけられた怪獣が大きくなって復活するヒーロー番組のお約束とでもいうべきあのパターンだ。
「ヤマ! 全員をこの場から離脱させろ! 兎に角人の居ないところへ、砂漠のど真ん中でいい!」
カイトが出入り口のほうへと叫ぶ。 もちろん、ヤマも遅れてではあるが到着している。
全員の足元が光を放つ……!
光が収まると、全員砂の上へ立っていた。 アルテミスの首根っこを掴んだ水鏡が上から落ちてきて着地する。