ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.262 )
- 日時: 2011/01/13 21:16
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
クレイクロアの二人はカイトの指令は聞かず、真正面から受けて立ってくれている。だが、そのおかげで正面は怖い物なしだ。 その後ろは幾重にも張り巡らされた防御網による磐石の守り。 だが、相手の人数が増え続ける以上それが崩れるのも時間の問題だ。
相手の狙いは反逆者と、元老院、ハッシュの死体と古式騎士の残骸だ。 修復能力者、または今蘇生を行っている敵の能力者がいれば恐らく修復は効くだろう。
そして、その守りが崩れかけてきた直後だった、敵の本体を叩くかのごとく黒い雷電が上空から敵を攻める! 次々と相手を消し炭にし、相手勢力の大半を消し去ってもなおそれは攻撃の手を緩めることなく攻撃を続ける。
そして、最後の一撃。 巨大な稲妻と共に一人の人影が地面へと衝突し、周囲に大きなクレーターを刻んだ。
そう、
「ボクがいない間に大変な事になってたみたいだね、まあ、想定内なんだけどさ」
クロアだ。 ……ということは、クラウンは古式騎士と共に殺された…… !?
一瞬の沈黙の後に、先手を打ったのはクロアだ。 もちろん、その黒い雷電の前に相手は圧倒され、国家兵の実力など、恐れるに足らない物ではないかと錯覚させられる!
恐らく蘇生能力者が死んだのだろう、相手の人数の増え方が緩やかになった。
……そういえば、シェリーは何処へ行った? ここへ飛んできてから姿を見ていない、一人で先に突っ走って相手に殺されたか !?
周囲を見回すカイトの心配をよそに、シェリーは国家の戦略本部へと乗り込み、マイクを握っていた。
そして、シェリーの指は放送ボタンを躊躇無く押す。
もちろん、国家放送。 全チャンネルの放送は今のマイクを握ったシェリーの放送へ変わる。
そして、
「皆さん、こんにちは。 ……さて、今世紀最大のニュースの時間だよ。 無知な皆が今、どれだけ死の間近に迫っているのかを教えてあげよう。 これを信じても信じなくても良い、行動を起こそうが誰かに頼ろうがそれも如何でも良い。 今私達の一番やりたい事は、事実を全ての人間に伝える事、……それだけだから」
ゆっくりと、シェリーは真実を世界へと発信する。