ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者Lvゼロ ( No.280 )
- 日時: 2011/02/06 14:32
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
恐らく、それが今までで一番重い言葉だった。 処分を決める。 つまり、生きている私に対しては如何にして殺すかを決める事だ。 殺処分などとも言うが、生命に対しては、処分だけで同じ意味を示す。
詰まるところ、
「私を殺すって……こと……?」
「そうだ、既に俺たちの間ではシナリオは出来上がっている。 俺たち三人の追い詰められ、殺害される。 それならばあのババアも信じるだろう」
その言葉と共に、その横ではアリソンが腰の剣を抜き、手のひらでくるくると回している。
そして……
「この剣は如何に君でも掠るだけで即死する魔力を有している。 故に、この剣で君の命を一瞬で絶つことが可能だ。 さあ、覚悟してよッ!」
アリソンが剣で斬りかかる! だが、そんな簡単に事情の分からぬうちに殺されるのはごめんだ。 ここは抵抗してやるべきだろう。
剣を避ける時に掠ったのだろう、服の一部が焼け焦げている。 掠れば即死というのはあながち嘘ではないらしい。
だが、そんな事に脅えていられない。 次の斬撃に合わせ、体を後ろにそらし、そのままバク宙、両手を地面につき、そのまま剣を弾き上げる! だが、相手も早い、早すぎる!
蹴り上げたはずの剣を、弾き飛ばしたハズの剣を、体制を立て直し、地面に足をついたときには既に……手の内に戻している !?
そして斬りかかって来るのは誰もが予測できるだろう。 それに反して、クラウンはアリソンに背を向け、背でそのまま剣を受け止める!
勝負はついたと思ったらしく、剣を引っ込めるアリソンに反し、クラウンは胴体を捻りそのまま十手で再び剣を弾き上げると今度はそのまま十手の鉤で絡め取り海へと投げ捨てた。
「あー、捨てられちゃったよ。 クラウン強いな……」
アリソンのその言葉に多少苛立ちを覚えるが、直ぐにそんな事は忘れ、迫り来る強敵に対し、十手を構える。
恐らく、魔神だけあって、神だけって、相手の方が圧倒的に強い。 それこそ、今までに殺してきた雑魚をクラウンが一蹴するレベルだろう。 明らかに、格が違う。 息の切れ掛かっているクラウンに対し、相手はいまだ疲れを見せない上、力も落ちていない。 今までの敵とは桁違いどころか、次元が違う。
「そりゃどうも。 神様に強いと言われるなんて、光栄だね」
「うん、それはよかった。 だけど、強いといっても人間として強いと言うだけだよ。 私の前では……」
突如視界が乱れ、全身を内部から突き刺すような激痛が襲う! そして、視界が暗くなったかと思うと耳元で、
「人間と言う種類の生き物でしかないんだよ」
魔神の、無慈悲な声が木霊する。 ……そうか、死んだんだ。