ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 能力者Lvゼロ= “無能力者”       オリキャラ募集中 ( No.38 )
日時: 2010/11/12 21:18
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)

「クラウン、こっち着てみて」

今現在、ヤマの迎え待ち中だ。
その間、クラウンは能力をシェリーに渡し、その影響で女の状態で待っているのだ。
つまり、今のクラウンはシェリーの着せ替え人形とでも言うべきだろうか。
何で今こんな事をしているかというと、

「身支度くらいは必要よ、服一式とPCに暗号化文章の束が3kg……」

「何でそんなにも必要なのか、ボクには理解しかねるよ。女って面倒なんだね」

何故かノリノリのシェリーにクラウンは苦笑いしながら言い放つ。
苦笑いの理由は単純明快、フリルつきのピンクのスカートをはかされ、全身まっピンクの状態に陥っていたからだ。
クラウン個人としては、いざという対男性戦のときフリル付きスカートのまっピンク男になりたくない。
誰が如何考えてもそれは変態としか言いようが無い。
そんな思考と共に、すぐさま服を脱ぎ捨てると元のコートを着直す。

「シェリーの着せ替え人形は勘弁願いたいな、ボクはどっちでも歩けどもどっちでもないんだ、いざというときのことを考えると男物着ているほうが安心するな」

呆れ顔で玄関から事務所の外へ出ると、辺りは夕日に包まれていた。
ちょうどそこへ迎えの車が到着、なんといいタイミング。
中から出てきたのは……ヤマの仲間とか言う奴らの特長とは違う。
5人の生気を失ったかの様な表情をした連中。
後からクラウンに付いて出てきたシェリーはそいつらを見て絶句する。
……クラウンにはそいつらの見覚えがあった。

「……A-01号か。試作品でボクに挑むなんて、シグマも考えが甘い」

そう、そいつらはあのカプセルの中にいた。
あの人間性の欠片すら無い殺戮兵器……!

Re: 能力者Lvゼロ= “無能力者”       オリキャラ募集中 ( No.39 )
日時: 2010/11/12 21:05
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)

能力強制適合実験体、タイプA-01号に関する研究レポート。
第千二百五十九号、戦闘能力の上高機能について。

人らしい感情の無い彼らは、生命の兼ね備えていた生存本能にのみに従っているようだ。
彼らは手近にいる人間を見境無く殺し、その生き血を啜る事によって生存を図る行動を取る。
まるで映画のゾンビそのもののような行動を起こすが、何故か自分と同じA-01は襲わない。
何故このようなことが起こるのかを改名した結果、彼らは臭いと音で周囲の状況を判断しているらしい。
視力は殆ど無く、明るいか暗いかすら判別不可能のようだ。

とある研究施設では、彼らの主食とする血液の好き嫌いを実験によって判断したレポートが存在する。
彼らは実験動物に比べ、人の血液に大きな反応を見せる事が判明した。
そして、人の中でも特に能力者を好んで襲うようだ。
実際に、その実験を買って出た博士だけが能力者だったため、助手達は博士が襲われている間に逃げ延び、A-01の研究所内の監禁に成功した。

「ボクがA-01の実験から偶発的に発生した存在である事はまだ割れていないみたいだね」

その言葉と同時にクラウンはナイフをポケット腹取り出すと手の中でもてあそぶ。
まるでペン回しをしているかのようだが、ナイフが思い文スピードが速くなり、大きさの違いで比較的ナイフの方が難しいだろう。
ナイフを構えると、能力者の存在を感じ取った彼らの攻撃をことごとくかわし、カウンターで頭の頭蓋骨の薄い箇所を正確に抉り取る!
その間にも別のA-01がクラウンに迫る!
……が、そのA-01も敢え無くその場に跪いた。
そう、今のはクラウンではなくシェリーの能力。

「インポッシブル・グラヴィティー……!」

そう、その一点のみ重力を集中させて動きを封じたのだ。
間髪を入れずクラウンの容赦ないナイフによる攻撃が、彼らの脳を抉る。
その直後、シェリーの後ろからまだ生き残っていたA-01が、クラウンの後ろからもやはりA-01が襲い掛かった。
腕を封じられた、身動きが取れない……!

「……絶体絶命、という奴だな。多分」