ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者Lvゼロ= “無能力者” オリキャラ募集中 ( No.47 )
- 日時: 2010/11/13 21:34
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
リザに案内され、事務所裏のワゴン車へと乗り込むと運転席からリザが後部席に座ったシェリーに、
「少し寄り道するから、アジトに着くのは明け方になりそうね。シェリー、貴方は普通の人間と変わらないでしょう? 少し寝ておきなさいよ」
その言葉にクラウンは不満そうな顔をしながら、
「あのねぇ、ボクだって普通の人間だよ?」
リザに最もな意見を投げつける。
だが、
「貴方は何処を如何見ても一般じゃないわ、だって戦闘相手によって性別だけが変わるんでしょ? どういうふうに相手をすればいいか分からないし、反応にも困るじゃない」
リザはため息をつきながらクラウンに返し、クラウンも同じくため息をつく。
その理由は単純明快、
「ボクの性別だけじゃないよ、能力も変化するからね」
「じゃあなおさら変よ、能力が固定されてないんでしょ?」
その最もな意見もリザの前では塵同然と化した。
気か付けば車はいつの間にか発進し、高速道路に乗っている。
不意に、
「なにやら楽しそうだな、俺も会話に参加していいか? と言うより、ここにいてよかったのか?」
後部座席からシェリーの物ではない男の声がクラウンの耳へと入り込む。
……敵か!
クラウンはコートからナイフを取り出すと声の発生源へと向ける!
だが、そのナイフも相手の刃に弾かれ、車の天井に突き刺さる!
そこでクラウンは違和感に気づいた。
何故、リザはこの突然の出来事に動じない……?
まさかリザも敵なのか !?
クラウンの頭脳回路は一瞬にして最悪の答えを導き出す。
だがその声の主に対してリザは、
「何時から居たのよアルテミス。車の中では暴れないでって、何回言ったかしら?」
あたかも最初から想定していた事かのように受け答えをしている。
……何事だ?
「おいおいおい、俺に非はないだろ? このお譲ちゃんが暴れ始めたんだしよ?」
「それを言うならその変態よ。戦闘によって性別が変わるらしいわ」
会話の感じからして知り合いらしい。
だが今の、
「変態とは何事? 聞き流せないな。ボクがこう成りたくて成ったわけじゃないし 、第一君に変態呼ばわりされる覚えは無——」
「舌噛まない様に口塞いでなさい!」
クラウンの言葉はリザの乱暴な運転に遮られた。
どうやら道路の整備されていない山道をものすごい速さで突き進んでいるらしい。
揺れが収まると、車は山小屋の前で急停止した。