ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力者Lvゼロ= “無能力者” オリキャラ募集中 ( No.6 )
- 日時: 2010/11/08 23:31
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
タクシーで空港に向う事一時間、クラウンは渋滞にはまっていた。
非があるとすればこのタクシー運転手が近道だとほざいてこの時間帯に一番混む道へと向ったのがそもそもの原因なのだが、
「すまないね、お客さん。わき道通っていきますかい?」
運転手は悪びれもせずにクラウンに話しかけてきた。
クラウンはそれに対して苦笑いしか出来ず、
「いえ、大丈夫ですよゆっくりで」
口ではかなり弱々しい言葉しか出さないが、内面はかなり苛立っていた。
不意に、運転手が直ぐ近くのわき道へとタクシーを進める。
その直後、ジャックの目にタクシー運転手の能力者レベルが映し出された。
“LvⅣ、上級能力者”
能力者の目には、能力者のレベルが見える。
クラウンはレベルゼロとはいえ能力者だ、この男の悪意ある回り道の真相は知れている。
ここは早めに、
「おい、ボクを何処に連れて行く気だ? このわき道は暗いな、ワームホール系の能力者だろ、ボクがいつレベルゼロだと分かった?」
わき道を抜けると同時にクラウンの口調が一気に強くなり、体が一回り大きくなると車の後部座席には少女の姿はなかった。
今そこに居るのは一人の、青年だ。
「悪いねぇ、俺も仕事なんで勘弁してくれ。俺の仕事は届ける事だ、例え誘拐であろうともな」
タクシーがわき道を抜けてすぐに停車し、ドアが開いた。
その直後、無数の拳銃がクラウンに突きつけられる。
だが、クラウンは顔色一つ変えず、
「もう少し客は丁重に扱うべきだな、そんな事をしていると帰られるぞ」
説教をしながら車から降りた。
クラウンは手を軽く握るとその中で能力を発動した。
どこかの小石が一瞬のうちにクラウンの手の中に出現する。
どうやら、自分のことを何処かに送る能力者なのだろう。
クラウンは今その逆、者を引き寄せる能力者なワケだ。
これでタクシードライバーの能力は割れた。
「ドライバーのお兄さん、やっぱり移動系の能力なんだな」
そう一言言い放つと、クラウンに向けられていた銃は全て消えていた。
銃を突きつけていた奴らが不思議そうに自分の手を見つめる。
そして、
「探し物はこれかな? 人に向けちゃ駄目だろ
こんな物」
クラウンの手の中に在るのを見つけた。
そう、クラウンの反能力者化だ。
クラウンはそのまま持っていた銃を構えるが、
「そこまでだ、これ以上俺の隠れ家を荒らしてくれるな馬鹿共が。そいつは攻撃するなよ、攻撃したが最後、お前ら程度の奴らは殺されるのが目に見えているからな」
銃を突きつけてきた奴らを押しのけ、黒いスーツの男がサングラスをかけなおしながらクラウンへと近づいてきた。
敵意は今の所無いようだ。
クラウンの目に、ある事実が映る。
“LvⅤ、最上級能力者”