ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Gray Wolf キャラ画像募集します。 ( No.74 )
日時: 2010/12/27 19:54
名前: yuri ◆F3yWwB7rk6 (ID: DOGZrvXb)
参照: Σ( `@А@´)<何だって!? 参照200!!?(それがどうした


龍のキメラがレフィを喰わんと、巨大な口を開け、迫ってくる。
気づいたときにはもう手遅れであり、上下の牙は彼女の体を挟もうとしている。
シエラは声を荒げて彼女の名前を叫び、駆け寄ろうとしたが、追いつかない。

その時、開いた穴が勢いよく閉まろうとした。


第  3  0  話


           Fall in “L O V E”


尻餅をつき、腰が抜けたレフィの前にはユーリの後姿。
抜刀した刃を構え、顎の一撃を受け止めている。
そして、その刃から紅蓮の炎が漏れ出て、熱が龍の体の内部から伝わる。
その激痛に呻き、ユーリは眼光を鋭くさせて睨みつけていた。
「こんな可愛い体を噛み砕こうとは‥‥‥」



「いい度胸してるじゃねえかあっ!!!!!」


同時に、斬り払ってできた斬撃から三日月の炎が放出される。
それはキメラの体を真っ二つに割り、断面からは炎が舞い上がっていた。
力を抜いた腕が垂れ下がり、ユーリは深く息をつく。
シエラとレンは彼の下へ行き、レフィはその様子を唖然としてみているだけであった。




5日後となってやっと平和が戻った。
特に事件も起こらず、安心して日常を過ごせる。
が、大きく変わったことが一つあった。


それは日曜日のリナータへ攻め込む作戦が終わり、その翌日のこと。


うまくガーディアン、続いては国軍、傭兵団と手助けをし、何とか作戦は終了した。
後でシエラがただの一般人と分かり、どういうわけかレンとシエラだけにレフィが説教したが。
その後、翌日学校にはシエラは勿論の事、レフィもいる。

彼女はガーディアンの指令で、ロートスシティの警護を担当することとなっていた。
そして、周りの者から不自然に思われぬよう、学生としてシエラの学校に潜伏しているのである。
今日も、明日も、その後も、レフィはこの街の守護に当たるそうだ。
が、様子がおかしい。
2時限目が終わり、休み時間となってシエラは彼女の所へ行ってみた。
顔を見ると、何故か顔が、耳にかけて赤い。
目の前で手を振っているのに、全く反応をせず、目が泳いでいる。
そして、数秒経った後に、彼女は椅子から倒れ、床に叩きつけられた。
騒がしかった教室中は沈黙の空気となった。 シエラも驚き、そこから半歩下がる。

保健室に運ばれ、シエラとリン、他数名の生徒が彼女の身を案じる。
一応起きたが、未だに顔を赤くし、黙り込んでいる。
「どうかしたの? ねえ」
リンがレフィの肩を揺さぶり、彼女もそれに気づく。
「顔赤いよ? 熱でもあるんじゃないの?」
また一人、女子生徒が声をかけた。
黙り込んで赤い顔を更に赤くしたままであり、全く言わない。
だが、何度か声をかけてやっと口を開き、彼女は赤い頬を手で抑えた。



「好きな人が‥‥‥出来ちゃいました‥‥‥♪」



この直後、大きな間が開き、悲鳴にも似た大声が響き渡ったのは言うまでもない。
その後、リンが興味津々で誰だ誰だと喚き始め、名前こそ言わなかった。
が、

「金髪の長髪で金眼で、背が高くて、黒いコートが似合ってて、カッコイイ、男前の方で‥‥‥」

これだけで誰かなど分かるのはただ一人しかいない。
そしてレフィはその者に近づき、耳元で、小声で言った。
「そういうわけで、ちょっと放課後いいわよね?」




それからだ。
レフィがユーリに付きまとうようになったのは。
今はユーリには軽めの敬語で。 シエラ、レン、周りの人には敬語を外し、目上の人には硬く敬語で話している。
ちなみにユーリ本人もレフィが自分に好意を抱いていることは自覚している。
だがそれについて、



「そういうのは嬉しいし、気にすることじゃねえだろ? 歓迎歓迎大歓迎」


と、心から嬉しそうに笑って語っていた。





       Fall in “L O V E”



                          終