ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Are You OK? ( No.47 )
- 日時: 2010/12/21 19:18
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 「バカは風邪をひかない」←これって嘘っぱちだよね
あぁうざったい。隣にいるニンゲンっていう生命物体が。
ベラベラベラベラ隣で喋るし。
もう独り言になってるし。
「ねぇねぇそういえばさ〜、君の名前って何ていうの〜?」
———喋り方うざい。普通に喋れよ。
「ボクはハニー・ミッシアムだよ。
ていうかキミ帰ってくれる?キミみたいなのがいるとさ、ボクがキミを連れて来たみたいな目で見られるから嫌だし、何よりうざい」
そう言って、穴を藍の足元に造る。
「バイバイ」
「いやちょっ、待っ、俺は見学を———」
そう言い掛ける藍だが、それを言い切る前に穴に飲み込まれる。
「ニンゲンはさ、せいぜいあの平和な国でのんびり暮らしてなよ。
————こんなところに来たって、危険なだけなんだからさ」
☆★
「ほう、これが噂の“フェアリーライフ”か」
「御察しの通りです、王」
-ダークネス・デッドパーソンタウン:王宮-
真っ暗で、真っ黒なそこに、2つの影が見える。否、3つ。
「おいダークよ、もうよさないか、そういうことは」
横でそんな発言をしたのはライト・フローラルという、ハッピータウンの王だ。普通の白妖精より、一段と大きな白くふさふさの羽である。
対して「ダーク」と呼ばれたのは大体の予想は付くと思うが、ダークネス・デッドパーソンタウンの王、フルネームはダーク・ブレイク。
やはり王だからなのだろうか、大きく黒い、超ギザギザの羽を生やしている。
そしてもう1人、エリィブァーン。仕事で王———ダークに依頼されていたものを、王宮にまで届けに来ているらしい。
「何をいってるんだ、ライト!確かに犠牲数は少ないとは言えないが、“アレ”を造ることが出来るのならば、それくらいの犠牲、良いじゃないか」
「ッ!!貴様、やはり自分のことしか———」
———もう呆れた。
———やっぱり男なんて役にも立たなければ生きている意味さえ無いわ。
ふっとエリィの姿が王宮から消える。
と言っても瞬間移動をしただけなのだが。
☆★
———何でハニーはまだ帰ってこないの?
———ていうか、何処に誰と何しに行ってるのよ!!
暗い部屋の中。
子供が軽く怯えるようなお化け屋敷にはなりそうだ。
そんな部屋の中に、ソファに座って窓を見るフレイブル。
月明かりで若干見える彼女の横顔には、うっすらと涙の跡が見える。
1人の妖精に向かって流す涙の跡が。
———どうして気付いてくれないの?ハニー……
平凡など、最早我らの国にはあるまい。
byライト