ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Are You OK? ( No.48 )
日時: 2010/12/22 19:14
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 風邪なおりました!!(多分)←

「ただいまー」
少しイラついたような声で、屋敷に入ってくるハニー。
ずんずんと廊下を歩いていき、とある部屋でその足を止める。
『コンコン』
ドアをノック。
「もう、誰、ヒミミャ!?一体何のようじ———」『ガチャッ』
「久し振り———だね、フレイブル」
ドアの向こう。ハニーの幼馴染、フレイブルが、ぽかんとした様子で立っている。

「は…ハニー、何処行ってたのよ?」
「んー?もしかして心配してくれたー?」
『バタン!!』「そんな筈無いでしょ!!」

急にドアを閉められ、危うく顔を挟みそうになるハニー。

「フレイブル、キミはさ、ボクのことが好きかな?」
「すっ好きなわけ無いでしょ!?アンタなんて」
ドア越しでも、フレイブルの声がびりびりと、まるで本人に隣で怒鳴られているような感覚が伝わる。
まぁ、突然変な質問をしたハニーも悪いのだが。

「だいたいっ!!何でそんな話すんの?誰かに振られでもした?」
「うーん、気分。
振られる振られないの前に、誰とも付き合ってなんかないし」

「えー、俺とも?」

突如背後から若干聞き覚えのある声が聞こえた。
———石谷 藍。

———何で!?
———ボクはさっき、絶対コイツを追い返した筈なのに!!

藍の言葉にツッコミを入れる前に、そんな疑問が浮かび上がる。
当然それはフレイブルにも聞こえているわけで。

『バァァン!!』「どうして人間がいんの!!?」
やはり藍の言葉にツッコミは入れなかったが、そっちにはツッコむ。
けたたましいドアの音が屋敷中に響いたのか、少し血の付いた執事服を着ている男、ヒミミャが駆けつける。

「どうしたんですか、フレイブル様———って、人間じゃないですか。
まさか、ハニー様が?」
メスを持ったままの状態で駆けつけてくるので、このシーンだけ見ればヒミミャがヤンデレに見える人も0人ではあるまい。

「そうなのよ、こいつが後ろに隠してたみたいなの!」
必死な顔で訴えるフレイブル。
「違うよ、コイツいきなりボクの後ろから現れたんだ」
それを批判するハニー。
その2人を、なだめるように2人の間に入るヒミミャ。

「あははは〜、そこまで俺が入ってきたことを気にしなくたっていいじゃんか〜」
そんな空気をぶち壊すかのように、のんびりと話す藍。

そんな時に、突然黒い穴が空き———エリィが現れる。

「あぁもう、王って所詮はやっぱバカなのね。自分のことしか考えてないし。自己中すぎるでしょ」
そう言って、着ていた上着をハニーに半ば投げつける形で渡す。

「…じゃ、私は疲れたから部屋で寝———って、どうして人間がいるのよ!しかも男!気持ち悪い、この2人だけでも吐くのをギリギリ抑えてるのに、何でまた増えるの?」
と、やっと気付いたのか、藍に目を向け叫ぶ。
それから何かおぞましいものを見たかのような声で、
「とりあえず話は全て明日して頂戴。

嗚呼、気持ち悪い」



















俺はね〜、いつか人間と妖精が、仲良く暮らせることを願ってるんだ〜。
by藍