ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Are You OK? ( No.5 )
日時: 2010/12/16 23:20
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)

栞。様
またもコメント有り難う御座います!私なりに頑張っていくんで宜しくです!
では続きです↓





                           第二話『雷の夜』
戌の刻———ダークネス・デッドパーソンタウンのとある廃墟———

「ねぇキミ、白妖精だよね?こんなところで何やってるの?」

その中に蠢く2つの影。その影の両方ともには、羽が生えている。1つはふわふわしていて、触るととても心地良さそうだ。一方でもう1つの羽はギザギザしている、光をも吸い込む、本当の影のようだ。

「あっ…」

光が全くと言っていいほど無いこの街だが、どうやら月明かりは少しだけ差し込むらしい。その月明かりが、2人の顔を明るく照らす。

「み、見なかったことにしてください…」
白妖精の少女が小さい声でそう呟く。

「んー、そう言われると、逆にもっと知りたくなっちゃうんだけど?」
対する黒妖精の少年が、少女に一歩詰め寄る。
「こ、来ないで…下さい…」
半ば泣いているのだろうか———少女はうずくまりながら言った。

「…あー…ごめんってば。泣かないでよ、頼むからさぁ。
…えっと、名前は?」
少しでも泣き止むようにと、少年は話題を変える。
「わたし、クロス・トメイルです。えっと、あなたは…?」
「ボクはハニー・ミッシアムだよ」
クルリと回転し、お辞儀をする。金髪で、くせっ毛なのだろうか、ところどころぴょんぴょんと髪がはねている。髪の長さは短髪で、前髪は6:4という感じだ。そしてなんといっても綺麗すぎる、澄んだエメラルドグリーンの瞳。その童顔に、ぴったりと合っている気もする。

そして少女———クロスは、ボブヘアーで、これも金髪である。瞳の色は黒で、パッと見髪を染めた日本人、という感じだった。

「………」
ハニーが次の話題を考えていると———

『ゴロロッ………ドカッ!』

そんな雷の音が聞こえた。
それと同時に

「…!?
え、と…怖いの…?」
クロスに腕を掴まれ、一瞬フリーズしてしまうハニー。
「あの…ごめんなさい、これが終わるまで、このままでいていいですか……?鳴り終わったら帰りますから…」

本当ならばハニーはこのあと『仕事』をする為に人間界へ行かなければいけないのだが———これはまた別の話。









あの雷の日を、どうしてボクは忘れられないのだろう———?
byハニー