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1-03「奈落の底」

“貴方達が武器を取った瞬間から、私に貴方達の命の保証はできません。
　武器を捨てようとも、手の肉ごと削げてしまいます。逃げようなど考えれば、私が殺します。
　では、逃げ場のない舞台をお楽しみください”

開戦を告げる手紙が来ても、誰も動けなかった。
殺すにも誰を殺せばいい? 誰を殺してもいい?

“追伸　私は貴方達の敵です。どうか助けなど求めないで下さい”
と手紙が上から降ってきた。

「ふざけんなよ……」

「……」
誰も行動を起こさない。起こせない。

「悪いな、坊主」
そう言って、圭介の心臓を突いたのは彩佳。
「えっ……?」
圭介の左胸からおびただしい量の血が流れる。
「アンタ、彩佳って言ったわね!?」
それに逆上したのは美南。
「なんで圭介なのよ!? 他にもいっぱいいるじゃない!!」
自慢の長い脚で彩佳の腹を蹴る。
「アイツと目があった。だから殺した」
蹴られた腹を押さえる。
「ふざけんな!!」
つま先の辺りがナイフになった靴で、心臓を蹴ろうとする。

「その程度では私に勝てない」
美南の蹴りが当たる前に、彩佳の刀が美南の首を落とした。

“まずは勇気ある憂伊 彩佳様を称えましょう。
　そして皆様、彩佳様に続くようお願い致します”