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1-06「これぞ惨劇」

“ちょうどいいことに、ここに死体があります。
　この死体をお借りしましょう”

“手本を見せる”と手紙には書いてあった。アリカという無情の魔女が実際に姿を現すのか。

“では、ここで魔法を。皆様目を閉じて下さい”
手紙に書いてある通りに目を閉じる。

“もうよいぞ”
次は、声が聞こえた。低く、地を這うような声。
瞳を開けても人の姿はなく、農具のクワが不自然に浮いてあった。

死んでいる圭介の前にクワはある。そして、圭介の顔に振り下ろされる。

顔　面　を　耕　し　て　い　る　

その表現が最も適切だろう。まるで圭介の顔面を土と思っているように、容赦なくクワが落ちる。

皮は剥げ、肉はむき出しになって飛び散る。目玉が足元に転がってくる。
唇はなくなり、歯がむき出しになる。歯も砕き、舌は千切れる。

その現場を直視できたものはいない。

“お次はこちら”
首のない死体、美南の腹にクワが落ちる。

腹を裂き、あらゆる臓物を引きずりだす。美南の上半身、胸から腹までは、空っぽになった。

骨も、心臓も、腎臓も、膵臓も、肝臓も、大腸も小腸も、あらゆるものが取り出された。

真っ白い塔の大広間は、真っ赤な血で染まる。