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1-10「殺し合いⅢ」

「……」
アリカさんは、殺し合い、傷つく私たちをどんなお顔でご覧になっているのでしょうか。
きっとさぞ楽しそうに、残酷に笑っているでしょう。

「……」
こんなことやりたくない。でも、やらなきゃ終わらない。
アリカ、貴方はどんな顔をしているの。悲しむうちらをみて何を思っているの。

「参ります!」
刀を構えて走ってくる。
「……」
刀での攻撃はそう恐れなくてもいい。
……でも、魔法。これはヤバいかな……。

刀での攻撃をすべて避ける。

「……ごめんなさいっ!」
右手の人差し指をうちに向ける。

───来るっ!

───そう思った時には、もう遅かった。

指先から炎が出てきて、うちの身体を取り巻く。
でも、熱くない。

「えっ……?」
やがて炎が消えると、うちの目に入ったのは黒こげになった桜の死体。

「桜姫はお前に攻撃を仕掛けたわけじゃねぇ。自分の身体を燃やした」
「っ……!!」
もう、どんだけお人よしなんだよっ……。

“あら、桜姫様ったら面白くない。せめて死に顔だけでも面白くしましょう。
　両目をくり抜いて、口に入れてみたり”

「面白くない!? ふざけんなっ!!」
その手紙を破って捨てた。

“私の怒りを買えば後が恐ろしいことをお忘れなく”

すぐに、その手紙が降ってきた。