ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: -×-×-大脱出-×-×- ( No.2 )
- 日時: 2010/11/08 18:23
- 名前: 黎龍 ◆YYYYYYYYYY (ID: dBCG1FA1)
- 参照: http://plaza.rakuten.co.jp/k2naduki0623/diary/201010300000/
第一話
ダダダダーン!!
乾いた草に、荒れた地で男達はただ走り続ける。
平和の為に。 国の為に。
その平和を追い続ける為に、無力な人が死んで行く。
こんな世の中は間違っている。
しかし、反発的な者が居たら、殺される。
そんな時代だった。
だが今は違う。
戦争はすっかり終わり、金で何もかも買える時代。
———もちろん権力や地位も。
昔は違う。
今と違う。
自分の正義を突き通してこそ、大切な物が守れる。
それを突き通した、軍人が次に旅立つのは[収容所]
正式名称は -アウシェルニツ収容所-
収容人数約10090名
この収容所に来た兵士達は地獄を見るだろう。
大地を踏みしめ、最初に見たのは、
「さっさと動け!」
体中アザだらけで、頭から血を流し、荷物を運んでいる一人のひ弱な体をした捕虜。
そして捕虜に命令しているのが、此処のドイツ軍兵士。
茶色い軍服 胸には星のマーク。
そして腕に持たれているのは———世間で言うマシンガンだ。
そして、捕虜の位置に眼を下ろし 腕にもたれている銃を向け———
「お前は必要無い 死ね。」
ダーン!!
_____________________
ブゥゥゥゥゥゥン.............
イギリス兵士を運んだトラックがアウシェルニツ収容所にと到着する。
キィー…
「お前ら!! ついたぞ!!」
怒鳴り声をあげる運転手を軽くにらみつけながら、兵士達は腕を頭に押さえトラックから降りる。
五人程のドイツ兵士が、イギリス兵士に向けてマシンガンを向けている。
何か下手な事をすれば、即射殺だろう。
死ぬんだったら、地獄で苦しく生きる方が良いと考える兵士も居れば、
苦しみを味わうのが嫌だから早く死んだ方が良いと考える兵士も居る。
それは人それぞれだろう。
生きるのを望む一人の兵士 通称[赤トカゲ]
デビット・カベンディシュ
デビットは、ドイツ兵士達をギラリと睨み付け、小屋へと足を運んだ。
コツ、コツ、コツ
足音が木造の床を押し、床の下に佇むネズミは慌しく走り出す。
「…臭い小屋だな 此処のドイツ兵士にはピッタリな小屋だ ハハハ。」
皮肉を呟き、デビット達は設置されてある薄汚い椅子にへと腰をかけた。