第八話「独立」「出発はいつにするんだ?」 リョウがカイとユエに問う。「明日の明け方に」 カイがリョウの目を見つめながら言った。 強く。「随分早いんだな…」 リョウはカイから視線を外す。「……早くしないと…」 ユエが沈黙を破る。「ここから…この森から……離れられなくなってしまうから……」 ユエは涙をこらえてリョウを見上げる。 リョウはそんな愛しい娘を見て、自分の瞳に涙が溜まっているのを悟と、そうか。と言って、森の奥に行った。