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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 木漏れ日の姫。 ( No.39 )
- 日時: 2010/11/13 21:32
- 名前: 栞。 ◆KsWCjhC.fU (ID: hj9a4sJB)
第十一話「母親」
「ほら、この方がいいわ」
エレナはユエの顔を覗き込んで言った。
「…」
ユエは黙っていたが赤く頬を染めて嬉しそうに、自分の髪をいじっていた。
「ああ、もう夕餉の時間ね。早く食べましょう」
エレナはユエを見て言った。
「貴方も、ね」
エレナは暇そうに立ってこちらを見ていたカイに悪戯っ子の様に笑いかけた。
「お母様みたい…」
ユエはエレナが家の中へ入った後、呟いた。
「『お母様』?母様のことか?」
カイは首を傾げた。
「ううん。お母様……お母様のこ…と……?」
———あれ?私、何言ってるの?
———私の母は母様だけのはずでしょ?
ユエは自分の言葉に違和感を感じた。
———お母様……
『お母様』。ユエがそのことを思い出すのはいつになるだろうか。
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