第十三話「海」 「ユエ、カイ」 エレナはまだ夜が明けきらない頃にユエ達を起こした。「海に行きましょう」 ユエ達は顔を見合わせたが笑顔で———「はいっ」 ———頷いた。「綺麗…」 ユエが呟く。 海は暁の光を受けて赤く染まっていた。 ユエ達が見たことのない景色。 今まで森にいたユエ達には初めての景色。「綺麗…」 ユエはもう一度呟く。 この海に神獣がいるのではないかという期待の念も込めて。