ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 木漏れ日の姫。オリキャラ募集にご協力お願いします!! ( No.56 )
- 日時: 2010/11/22 20:17
- 名前: 栞。 ◆KsWCjhC.fU (ID: yycNjh.Z)
第十四話「聖騎士達の仕事」
「レオさん、お茶でもいかがですか?」
レオを呼んでいる男はレオより二つ年上のエセルだった。
「あ、はい」
レオはエセルのもとに走っていった。
ここは王宮の端にある聖騎士の憩いの場。
ここは聖騎士の仕事で負った傷や疲れを取るためだけに造られた場所だった。
「レオ、お前また傷が増えてない?」
青い瞳を光らせたとても女性とは思えない様な女性がレオに話しかける。
「リリンさんもいたんですか…」
レオは少し顔をしかめる。
リリンはレオの表情に怪訝そうな顔をしたが、レオがそう思うのも無理は無い。
リリンは気性が荒く、とても女性には思えないのだから。
「本当だな、大丈夫か?」
「ヤアトさんまで…大丈夫ですよ」
レオは静かに紅茶を飲んだ。
「そんなことよりショウさんは?」
「そこにいますよ」
エセルが指を指した先には赤毛の髪を首の横でひとまとめにした男がいた。
「ショウさんは独りでいるのが好きですから」
エセルはそういってカップを手に取った。
ショウ。そう呼ばれた男は最近入ったばかりの新人聖騎士だ。
独りでいることを好み、いつも皆から離れて行動している。
レオはショウのことを少し見つめるとすぐに視線を逸らしてカップを持った。
「リリン・リヴァーヌ=マリアス!エセル・サーヴァント!」
いきなり耳に飛び込んできた大声にその場にいた聖騎士達の大半が紅茶を喉に詰まらせた。
「仕事だ、王がお前達に用があるんだそうだ。行って来い」
大声を発した男は何事も無かったかの様に話した。
「早めに行って行ってきます!」
「僕もすぐ行くから!」
男が後ろに来たとたんに二人は怯えた様にその場から立ち去ろうとした。
「あ、あと」
男の言葉に二人は振り向く。
「説教される様なことがあったら、覚悟しとけよ」
男はどんな大男でも泣いて逃げ出す程の壮絶な笑みを二人に浮かべた。
「「行ってまいります!」」
二人はその男の笑みを見た途端に常人ではありえない程の速さで駆けていった。
男はそのあとも平然と紅茶を啜っていた。
「セシルさん…」
レオは金髪に金色の瞳という、(黙っていれば)美しい容姿の男に呆れた様な視線を向けた。
「あ?いいだろ別に。仕事のことだろ」
セシルは平然と紅茶を啜った。
セシルは聖騎士のリーダー的存在。
常に聖騎士の個性豊かなメンバーを(恐怖で)まとめている、(恐ろしい)才能を持った男だ。