ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 木漏れ日の姫。オリキャラ募集終了いたしました ( No.94 )
- 日時: 2010/11/24 20:42
- 名前: 栞。 ◆KsWCjhC.fU (ID: Omr4T4uD)
第十八話「王女セリシア」
ユエは朝、目が覚めてからもレオの顔が頭から離れず、町にレオがいるかもしれないという淡い期待を抱いて、町に出かけた。
レオは聖騎士の制服を着ながら、ユエのことを考えていた。
———また会いたいな……
———町に行けば会えるだろうか……
レオは制服に着替え終わると、町に出かけた。
人々が賑わう町。町の中には、ありとあらゆる市場が集まっていて、町にいけば大抵の物が揃うため、いつも人で賑わっている。
「おいっ!」
ユエはいきなり飛んできた大声に驚きながらも声の主の方に向いた。
「レオ…?」
声の主はレオだった。
レオは銀色の髪を揺らし、息を荒げながらユエの元へ走ってきた。
「どうしてここへ?」
「お前こそ何でいるんだ」
ユエが本当の理由等答えられるはずがない。
《貴方に会いたくて》
なんて、ユエには言えない。
「まぁ、いい。お前この町のことあまり知らないだろう。俺が案内する。ついてこい」
ユエはレオの一方的な行動に驚いたが、すぐに幸せそうに笑うとレオの後をついていった。
王女—セリシア—は、その広すぎる自室に置いてあるベッドに腰掛けていた。
「町の視察に行こうかしら…」
セリシアはベッドに体を放り投げる。
彼女はほぼ毎日視察に出かけている。
その理由は、レオに、会いたいから。
レオは15というまだ幼げが残る年で聖騎士になったため、セリシアは興味があった。
そして、町の視察を理由にレオに会った。
そこでセリシアは、二つ下のレオに一目ぼれをした。
「また会いたいな…」
セリシアは王女らしからぬ発言をすると、侍女を呼び出して、レオと共に町の視察に行ってくると告げた。
「レオ様は町にお出かけです」
侍女からの返答を聞くと、セリシアは顔をしかめた。
———どうしていないのかしら……
———わたくしがいる時は城にいろと言いつけてあるのに……
セリシアはいてもたってもいられず、一人の聖騎士を呼び出し、町へ出かけた。
セリシアは庶民の服装にできるだけ近い服にし、周りの者に王女だと悟られない様にした。
セリシアはレオを探して歩き、やっとレオを見つけた。
「レー……ォ……?」
セリシアがレオに駆け寄ろうとしたその時、セリシアが見たものは、セリシアには衝撃的なものだった。
わ た く し の レ オ が 他 の 女 と
一 緒 に い る ?
ナ ン デ ソ ン ナ ニ 幸 セ ソ ウ ナ
ノ ?
セリシアはしばらくその場に立ちつくしていた。
《レオと他の女が一緒にいた》
セリシアが想像していなかったこと。
否、
セリシアが想像したくなかったこと。
セリシアは溢れ出る感情を押し殺し、自室に戻った。