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08「愛しき花は散る」

「きゃあぁぁっ!!」
学校は混乱に突き落とされた。刃物を持った不審者がいる。

「(凛子先輩は無事だろうか……)」
と考えながら、静かすぎる教室にいた。
「(久遠君、無事かな……)」
と考えながら、何故か妙な気持ちになっていた。

不審者の足取りに迷いはない。まるで、誰を狙うか決めているように。

不審者は、3年D組の前で足を止める。扉には鍵がかかっている。

ガラッ……。

鍵の掛かっているはずの扉が開いた。

「きゃあぁぁっ!!?」
教室は混乱に陥る。その中、凛子だけは青ざめた顔をしていた。
「(シャルリア様……っ!?)」
美しい銀髪に妖艶な真紅の瞳。他の誰でもない、シャルリア様。

「凛子ちゃん逃げて!!」
先生の悲痛な声が響く。

「幸せにしてくれるって言ったのに……」

涙かポロポロとこぼれてくる。その涙もぬぐわない。

あたしは逃げなかった。逃げても殺される。そう本能が理解していた。

“　嘘　つ　き　”

それが、あたしの最期の言葉。