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01「幼馴染」

「るーみっ」
「あっ、麓〜＾＾」
顔を合わせたら会話する。こんなの日常だった。他の皆はカップルみたいって言うけど。
「べんきょー教えて?」
「可愛く言ってもダメ」
背が高いくせに、あたしよりしゃがんで上目遣いで指を組んで祈るようにお願いする。
「ケチ」
ぶーっと頬をふくらませる。
「……もう、どこが解らないの?」
「やった!!」
放課後だったので、そのまま図書室に行くことにした。

「で、どこ?」
「えっとねー、全部?(笑」
「……この間の期末テストの成績は?」
「最下位より1位上」
ブイ、とピースサインをする。
「ピースで済まされないよ? お母さんは怒らないの?」
「怒らないの。俺がどーしよーもない馬鹿って知ってるから」
パラパラと教科書をめくる。
「まぁ、麓のお母さんらしいよね」
「うん」
そして、一度も開かれた事のない教科書と、一字も書いていないノートにシャーペンを走らせる。

煙管の煙が消える。
「次は幼馴染? 幼馴染から恋人って、青春だね」
「こんな綺麗な青春嫌い。汚してやりたくなる」
この世の穢れも知らずに気楽に愛だの恋だの、馬鹿馬鹿しい。
「いいじゃん。青春しようぜ?」
「嫌だ」

ふぅ、と煙管の煙を吐く。