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02「変わる気持ち」

「……」
いつからだろうか。俺は琉美を“幼馴染”ではなくて“女”として見るようになった。

ふわふわのショートヘアーの髪を耳にかけて、赤いシャーペンを持って勉強を教えてくれる。
その間に“感謝”の気持ではなく“好き”という気持ちを抱いている俺は……。

「ん……?」
シャーペンを走らせるカリカリ言う音がやんだと思ったら、寝てしまっている琉美。
無防備と言うか、何と言うか。それだけ信頼されているということでもあるのだろうけど。

時計は6時を過ぎを指していた。

「琉美ー、琉美ー……」
名前を呼びながら肩を揺する。
「んっ……?」
一瞬聞こえた色っぽい声に心臓が跳ねる。
「あぁ、あたし、寝ちゃってた……?」
「うん、思い切り」
それを悟られないよう、平静でいる。

「もう6時過ぎか……。一緒帰ろ?」
大きく伸びをして、麓を見上げる。
「あぁ」
背の高い俺を見上げているため、無意識でも上目遣いになる。

そんな視線にドキドキしながら、だんだんと迫ってくる別れの時間を惜しんだ。