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03「壊れる壁」

「あのさ、琉美は俺のこと、どう思ってんの……?」

「っ……」
急に屋上に呼び出されたから、何かあるとは思った。
なんとなく、予想もできていた。

「俺は琉美の事が好きになってた。……琉美は?」
「えっと……」
今まで“かっこいい自慢の幼馴染”と思っていた存在からの告白。
「今すぐに答えを聞きたいとは言わない。自分の中で整理ついたら教えて……」
「……うん」
あたしを見つめる凛とした視線から逃れたくて、下を向いた。


すーっと、煙が消えていく。
「告白シーンまで見ちゃって。プライバシーの侵害だよ?」
シャルが持っていた煙管を取り上げ、自分が吸う。
「よいではないか。恥じらいに顔を染める男女。これ以上に面白い表情はない」
煙管を取り上げられた為、煙草に火をつけるシャルリア。
「ドS」
ぶーっと口をとがらせて、かわい子ぶってみる。
「黙れ、ドM」
我たちは、仲が悪いわけではないぞ。

「さぁ、今宵、あの青年は我を呼びだすのか……。楽しみであるな」