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Re: 〜学園能力戦争〜 [オリキャラ募集一旦終了] ( No.30 )
日時: 2010/11/14 12:09
名前: メルー (ID: Sb2xHYDn)

【4話 最強】

廊下で二人の男子生徒が闘う。

一人は両手に刀、一人は剣。

刀と剣の交わりが火花を散らし、金属音が響かせる。
そして その度に周りを囲む生徒のテンションも上がる。

刀を持つのが『S』クラスの 無想 一樹。
入学式からの一ヶ月間での模擬戦の成績は

      62戦 62勝

一ヶ月で62戦もやること自体が凄いが、負け無しとなればその噂は学年全体、いや学校全体に広がった。


対する勝負を挑んだのは 白木 健。
『A』クラス所属。
成績は      
         
       21戦 20勝 1敗

決して悪くはない。
というより 良い方だ。
だが 無想には到底 敵(かな)う成績ではない。


それでも挑んだのは、リベンジの為。

というのも、成績の1敗は無想に負けた事によってついたのだ。

それまで、勝ち続けていたのに負けた。
それが 白木の闘争心を煽ったのだ。

それから 白木は己の能力を磨いた。
無想に勝ちたいが為に。




だが



  —— キィィィーーン ——

一際 大きな金属音の後に剣が宙を舞う。


そして 白木の喉に一本の刀が突きつけられる。


「お前の負けだ。」

無想の言葉。
白木の目を真っ直ぐに見ながら。


   能力磨いても白木はまた無想に負けてしまった。


悔しかったが、どう仕様も無い。
白木は床に膝を着いた。

対して 無想は両手の刀を消して、歩き始めた。
周りを囲んでいた群衆は無想の為に道を開け、無想は興味無さそうに歩き続けて、どこかに行った。


周りの群集に興味を示さずに、

自分で倒した相手 


       白木にも興味を示さずに。


それがまた 白木に敗北感を感じさせた。


白木は悔しさで胸が一杯だったが、床に転がっている自分の剣を拾うと、無想とは反対方向に静かに消えていった。


周りの群集はそんな二人が消えていくのを見送ってから騒ぐ。


「無想 スゲェ!Aクラスの奴を簡単に倒しやがったぜ!」
「あんなのが相手じゃ、誰も勝てねーだろ。」

男子は無想の強さに憧れる。


「無想君凄い!」
「強いし、カッコイイよね!」

女子は無想の強さに惹かれる。




だが、中には


「マジムッカつく、何が才能だ能力だ……あー、やってられん。」


そう呟いて、去って行く生徒もいる。

だが 無想には そんなのどうでもいい。
無想が目指したいのは、


  最強


この二文字だけ。
そして それを妨げる奴は潰すだけ。