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Re: 戦国の世に生きる(参照200突破!! イェー!!(←) ( No.101 )
日時: 2010/11/14 19:21
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

第弐拾六話「石積み遊び」

「ははっ、仲良しに見えるか? チカ」
『仲良し、仲良し』
バサバサ嬉しそうに飛んでいる。
「それは勘違いだな」
ふっと軽く笑った顔。
「ぁっ……」
その顔が儚くて、綺麗で、思わず赤面した。
「じゃあな」
そう言って去ってしまう。
「……」
できる事ならもっと話をしてみたかった。

「……」
河原に膝を抱えて座り込む。河原に転がる石を積んで遊ぶ。別に楽しいわけではない。
「忌み子が石積み遊びとは……」
「元知……」
私のすぐ横には元知が立っていた。
「……」
「……」
しばし沈黙。風が草を揺らす音しか聞こえない。
「魔王の娘も所詮人、か」
少し退屈そうに呟く。
「なんだ、それは」
「ちゃんと表情がある。感じる心も」
「……」

「……私は、父と遊んだことなどない」
「……」
急にきりだされた話だが、黙って聞く。
「お前もそうか?」
「私は……。記憶にない」
「そうか……」
そしてまたも沈黙。

「お前がいつまでもそんな調子では、軍も狂う。
 総大将である以上、気をつけろ」
「生意気な坊主め」
確かにその通り。最近は公私混合させてしまっている。
「子供扱いするな」
不機嫌そうな顔。よく見れば綺麗な顔立ちをしている事を知った。
「子供だろう」
真っ直ぐ元知の瞳を見ている。元知の瞳は逃げなった。

「確かに、お前は男を狂わす」