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Re: 戦国の世に生きる(参照300突破! 返信100突破!!) ( No.109 )
日時: 2010/11/14 19:44
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

第弐拾八話「若殿」

「なぁ、半蔵。これで乱世は終わるのか?」
今までどれだけたくさんの血が流れただろう……。
それが、明日で終わってくれるのだな?
「はい、秀徳様」
「半蔵が、僕の望む世界を造ってくれるのだな?」
「はい。必ずや」
秀徳様と約束した“戦のない天下”それが近い。
心臓が飛び出てしまいそうに緊張している。

「半蔵。僕は死ぬかもしれないのだろう?」
「……秀徳様……」
もし負ければ、僕も殿も死ぬ。殺される……。
それを告げてよいものかと悩む。
「半蔵。僕は怖くないぞ。今まで半蔵が付いていてくれた」
どんなに怖い事があっても、半蔵は必ず傍にいてくれた。
「……殿様は強いですね」
「当然だ! 半蔵が付いていてくれれば怖いものなどない!」
何度僕の身が危なくなっても、半蔵は必ず助けに来てくれた。
「……」
この若殿に、天下を見せてやりたい。争い一つない、平和な日ノ本を見せてあげたい。

「半蔵、死んでくれるな。半蔵がいなければ僕はどうしていいか解らぬ」
「秀徳様が生きている限り、この半蔵、死にはいたしません」

「安心したぞ、半蔵」