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Re: 戦国の世に生きる(参照300突破! 返信100突破!!) ( No.110 )
日時: 2010/11/14 20:06
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

第弐拾九話「明日の血」

「……」
目の前で沢山の兵士が傷つく。今のところ、豊臣軍が優勢。
豊臣軍の軍師、竹中半蔵の活躍により、織田軍は様々な計略に堕ちた。
だが、それに負けじと知略を振るう元知のおかげで、挽回しかけている。

「くくっ、あははっ!! ふははははっ!!!」
明智はいつもと変わりない。いや、誰もいつもと変わりない。
変なのは私一人。ここまで来て何を躊躇っている?

「美麗様!」
一人の伝令が駆け寄ってくる。
「どうした?」
刀を振りながらやり取りをする。
「西側の幸直様の軍勢が苦戦! 救援を要請しております!」
「───解った」
そして、愛馬・悪龍で敵を斬りながら進む。

「ん……?」
西側には確かに幸直軍を派遣した。だが、幸直軍の姿は見えない。
代わりに、敵の弓兵が大量に現れ、美麗を狙い射る。
「くそっ───!」
あの伝令は偽……。恐らく幸直軍は、この場を片付けて進軍してしまった。
弓を上手く避けつつ、敵の人数を確認する。

「ちっ───」
敵の数が多すぎる。不幸にも目に入ったのは、豊臣軍随一の武将、遼純。

「織田軍総大将・美麗、その首、頂戴いたす!」