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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦国の世に生きる(参照300突破! 返信100突破!!) ( No.112 )
- 日時: 2010/11/14 20:20
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
第参拾話「狂戦士」
「───」
こんな簡単な策に引っかかった自分に腹が立つ。
その怒りをぶつけるように、豊臣軍の兵士を殺していく。
「流石は魔王の娘! 侮りがたき女人よ!」
遼純とつば競り合い状態になりながら、態勢を立て直す。
「くっ───!」
態勢を立て直した隙を狙われ、右肩を負傷する。
「右肩を傷つけられてはろくに戦えまい!」
「───っ」
右肩の痛みに耐えながら刀を振るう。流石に限界が近づいてくるのが解る。
「貴方ですか? 美麗を傷つけたのは……」
後ろから怒りに震える声が聞こえる。アイツだった。
「───貴様───」
「美麗、貴方は急いで本陣へ戻って下さい」
美麗が怪しげな伝令の言うとおり、西側に走って行った時は焦りましたよ。
まさか、あんな簡単な策に引っかかるとは思っていませんでした。
「ふふふっ、美麗を傷つけた事、後悔なさるとよいでしょう!!」
そして、アイツの武器と遼純の武器がぶつかり合う。
アイツのあんなに真剣そうな顔、私は知らない。
「───光好!!」
初めて名前を読んだ。
「……!」
初めて名前を呼ばれた。
「───死ぬなよ!」
愛馬の悪龍に跨り、腹を蹴る。すると、全速力で走りだす。
「───初めて名前を呼んで下さりましたね」
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