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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦国の世に生きる(参照300突破! 返信100突破!!) ( No.115 )
- 日時: 2010/11/15 17:02
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
第参拾参話「知略対決」
どうやら私が父上と会話している間に、戦いは終結へ近づいていたらしい。我が軍が圧倒的有利で。
「───来たか」
そこには、灰色の髪の軍師、竹中半蔵。
「貴様とて死にたくなかろう。道を開けよ」
誰よりも先についていたのは元知。
「君が毛利元知だね。素晴らしい知略だよ。
まさか、僕まで欺くとは……」
元知君の策にはまって、豊臣軍の兵士は半分以上が死んでしまった。
「ふん。どけ、我は先へ進む」
「悪いけど、僕もどいてあげられない。
僕が生きている間に、殿に指一本触れさせない!」
その声を合図に、二人の武器がぶつかり合う。
「貴様、中々だな」
二人の綺麗な顔が近づいては離れるを繰り返す。
「君もね。知略だけの男かと思っていたよ」
「我を愚弄するな!」
怒りの一撃が、半蔵の体勢を崩す。
「くっ!」
元知君の円状の刀が左横腹をかすめる。
「終わりだ」
その時、元知は気づいていない。自分に向けられた銃口に───。
「ぐっ!!」
銃弾が、元知に右胸を貫く。撃ったのは、重宝されない足軽。
足軽は、四つん這いになって這いつくばって逃げて行った。
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