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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦国の世に生きる(参照300突破! 返信100突破!!) ( No.118 )
- 日時: 2010/11/15 18:18
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
第参拾六話「乱世、終結」
「元知!」
馬を走らせている元知を見つける。
「───美麗」
顔も合わせず去ろうとする。
「……一人で大丈夫か?」
「心配無用」
その声を聞いて安心したのか、互いに馬を全速力で走らせる。
「……!!」
私が見たのは、ちょうど政義が竹中を倒したところ。
「───美麗」
振りかえった顔には、点々と返り血が付着していた。
「行くぜ、もうすぐ終わりだ」
この残酷な風景には似合わず、escortするように手を出す。
「───」
私は、その手を取った。
そこには、9歳とは思えない冷静な表情をした豊臣秀徳がいた。
「───そうか、半蔵は死んだのだな」
涙目で、涙を見せまいと必死に耐えていた。
「さあ、殺せ。これで乱世は終わる。争い一つない日ノ本が蘇る───」
まるで、死を恐れていないようであった。その瞳は、心から平和な日本を祈っていた。
「───」
美麗は静かに刀を抜く。
「───stop」
「ん───?」
最近は簡単な異国語は覚えられた。
「このボーズに見せてやろうじゃねぇか。
“争い一つない平和な日ノ本”を」
「───そうだな」
刀を鞘に収め、小さい坊主の目の前で膝立ちになり、手を差し出す。
「さぁ、来い。坊やの望む平和な日ノ本、私たちが見せてやる」
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