ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 戦国の世に生きる(参照100突破!! イェー!!(←) ( No.62 )
日時: 2010/11/13 16:30
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

第拾伍話「想い、戦へ」

「ha……。つまり“大好き”ってこった」
「そっ、某はそのように破廉恥な思いは……!!」
顔を真っ赤にしながらの必死の反論。
「が、そんな調子で負けてもらっちゃぁ困る。
 ま、こっから先は自分で決めろ」
“じゃな”と去って行ってしまう。

「さて、どうしたものか……」
某がこの調子で邪念を戦場に持ち込めば、必ず迷惑となる……。
「よし」
某はもう迷わぬ。

「美麗殿ぉー!」
「……幸直」
犬のように駆けてくる。まるで尻尾でも振っているように嬉しそうで。
最近はそんな幸直が可愛いと思えてきた。
「あの、ちょっと話があるのでござる……」
少し顔が赤い。
「……」
何となく予想はできた。

「で、どうした?」
人気の少ない雑木林の中。
「その、某は、その……」
「……」
言うまで待ってやる。
「美麗殿を、おした……」
そこまで言ったところで、人差し指が唇に押し当てられる。

「そこから先は……。次の戦で互いに生きて帰れたら……。聞かせてくれるな?」