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Re: 戦国の世に生きる(参照100突破!! イェー!!(←) ( No.66 )
日時: 2010/11/13 19:58
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

第拾八話「狂美人」

「なぁ……」
「何?」
どうにか自分たちを囲む武将を倒し終わり、馬で移動する。
その時、声をかけられた。

「お前さ、その思わせぶりな態度、やめた方がいいぜ?」
「……は?」
“思わせぶり”何が?
「幸直はお前に騙された。お前の思わせぶりな態度にな。
 お前……。幸直を特別に思ってねぇだろ?」
「当然だ。君主と言う上下関係がある以外には……」
「幸直は見事に騙された。お前にな……」
そう言うと、馬の腹を思い切り蹴って自分だけ先に進んでしまった。

「……騙す? 騙した覚えなどない……」
そして、自分も馬の腹を蹴り、馬を加速させる。

先に明智や泰親、政義は着いていた。その視線の先には、本当にまるでオクラのような武具の武人。
「ふん、忌み子の手下になり下がったか、長宗我部。我は失望したぞ」
「ウルセー、オクラ。黙れ、オクラ」
「我の事をオクラと呼ぶな!!」
そして、2人きりの決戦が始まってしまった。

泰親は碇槍を持ち、毛利元知は円状の不思議な武器を身体に纏っている。

「(“思わせぶり” “騙す”……)」
こんな時に自分のことを考えてしまってはいけない。
解っているのに、考えずにはいられない。