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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦国の世に生きる(参照200突破!! イェー!!(←) ( No.79 )
- 日時: 2010/11/13 21:27
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
第弐拾参話「矛盾」
美麗の手を乱暴に引いて、美麗の部屋までの道を行く。
美麗も何も言わずについてくる。静かすぎる廊下がいやだった。
俺はヘンな奴だ。美麗の恋人ってわけでもねぇ。なのに、無性に腹が立った。
明智が殺してやりたいほど憎かった。……嫉妬か?
「……ありがとう」
不意にそう言われて立ち止まる。
「Ah?」
「ありがとう。助けてくれて」
「……気にすんな」
コイツの“ありがとう”なんて何年ぶりに聞いたことか。
「Ha……。俺、今気づいた」
「……?」
「I love you……」
「えっ……?」
異国語など理解できない。だが、何か重要な事を云っている気がする。
「……愛してる」
「───!?」
今までよい戦友と思っていた存在からの告白。
私の人生はどうかしてしまったのか……。3人もの男から愛を告げられるなんて……。
私は誰が好きなのか。それさえも解らない。
「今日は色々ありすぎたろ? もう寝ろ」
「……また明日」
そう言って、美麗の影は部屋に消えた。
「あぁ。じゃあな」
聞こえていたかどうかは解らない。
美麗なんて、いくら強い武将でも“女”。言ってしまえばそうなのだ。
狼の群れに放り出された羊。誰でも簡単に狩る事のできる羊。
美麗、お前は否定するかもしれねぇけど、男から見たらそうなんだよ───。
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