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Re: 戦国の世に生きる(参照200突破!! イェー!!(←) ( No.95 )
日時: 2010/11/14 12:05
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

第弐拾五話「不思議なオウム」

バタバタッと羽ばたいて飛んでくるオウム。それは、泰親のオウムだった。
オウムは、私の肩を枝だと思っているのか、止まっている。
「なんだ、私はその辺の木の枝と一緒か?」
こんなことオウムに言っても無駄だろうが。

『美麗、美麗』
「ん……? お前が喋ったのか?」
鳥は人間の言葉は話さない。なのに……。
『美麗、嘘つき』
「生意気だな。飼い主に似て」
こんな鳥と会話する私も馬鹿馬鹿しい。
『自分に嘘つくの、苦しい』
「……」
本当に生意気な奴め。

「チカー、チカー!?」
泰親の声がして、オウムは飛んでいく。
「おっ!? もしかして、ネーチャン……」
『美麗、美麗』
オウムは美麗の存在を告げる。
「チカ……。お前の名前か?」
木陰から姿を現す。“チカ”と呼ばれたオウムに目をやる。
『チカ、チカ』
そう言ってバサバサと美麗の肩に移る。

「すげぇ、コイツが俺以外に懐いたの、お前が初めてだ」
ネーチャンが座っている横に座る。
「可愛い奴だな」
『チカ、可愛い、可愛い』
毛づくろいをしている色鮮やかなオウム。
「そしてよく喋る。飼い主にそっくりよ」
『泰親に、そっくり、そっくり』
二人の周りをバサバサ飛び回るチカ。

『二人、仲良し、仲良し』