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Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜 ( No.7 )
日時: 2010/11/13 18:42
名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)

03

「おっはよう〜、みんな!今日も寒いねぇ」

 教室に入ってくるなりテンションが高いのは、俺の暮らすの担任——朝倉美奈だった。最近大学を卒業したとかで、男子生徒に絶大の人気を誇っている、アイドル系の先生だ。着ている服は、初々しいスーツだが休日の日はどんな服を着ているのだろう…。おそらく女性雑誌に載っているような服なのだろうか?

「先生、今日も元気だなぁ〜」

そうつぶやいたのは、俺の前に座っている次郎である。どういうわけか、こいつとは中学校からの腐れ縁で、クラス替えのたびに同じクラスに。席替えのたびに近い席になるのだ。そんな縁は切れてしまえば良いのに、と思ったことは指の数をゆうに超えている。

「にしても、最近欠席が多くなってきたなぁ」
「ん?」

次郎が俺の隣の席を指さす。
本当だ。昨日までは元気はつらつとした女子が座っていたのに、今日は静けさが漂っている。
 最近俺のクラスに欠席者が多くなっていた。昨日は元気だった子が——。放課後一緒に遊んでいたやつが——。それほど唐突に欠席するのだ。そして復帰する時期もまばらである。一ヶ月休む者も居れば、一週間で復帰するやつも居る。しかし、その中には復帰する気配が無いやつも居るのだ。

「神隠しに遭ってるんじゃないか?」
「まさか。そんなことはないだろう」

この状態のことを、最近は「神隠し」と言われるようになった。
 そんな非現実なことを——。

「——まくん。佐々山君!!」
「は、はい!!」
「健康観察の途中よ?朝からぼーっとしてないの」
「あ、すみません…」

いつの間にか俺の順番になっていたらしい。
 いかんいかん。考え事ならいつでも出来るじゃないか。ただでさえ暇なんだから。

 あーあ。……何か刺激がある事が起きないものか……。
 そのときは軽い気持ちで思ったが、その後。後悔することになるのだった。